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私、訳があって大学なんぞというところへは行かずに、鉄をっぱたいたり、オペラの舞台装置家のお手伝いなんぞをしておりました。
律儀に社会勉強をしていたわけですな。
1999年の初め頃かな。
私の師匠である舞台装置家が酔狂なことを言うんですな。
「お前、舞台装置作らない?予算がないから???万で」
当時の自分の仕事としては一番の高値、仕事の内容を抜きにすれば。
「製作期間は3ヶ月な」
無謀な挑戦でしたが、武闘派で売っていた自分でしたので引くことはしない。
場所も新国立劇場でしたし。
なによりも、面白そうだし。

こんな感じ。
今のところ最大にして最凶の仕事でした。
いつもの通りに基本は一人なので、不安はでかかった。
作業的にも不安はあるが、毎回、根を詰めてプチ栄養失調とかになるので、そっちの方が大問題。
まぁ、制作費はあるぞ〜ってことで、大阪から鉄作家を目指している女の子にお手伝いを頼み、特に食事面でのサポートをしてもらいました。
製作時の写真なんぞ、撮ってる余裕なんて微塵もなかったので無し。
代わりに、搬入時の写真をいくつか。

階段やら手すりやら。

階段やら扉やら柵やら、変な機械やら

階段ばっかし。
これだけの物量を3ヶ月となると、時間が無いです、普通に。
朝9時に初めて、夜中の2時までは仕事。
それが、3ヶ月。
軽く精神にも変調が現れたりします。
大勢の人が乗ったりするので、ベニヤも20ミリとかの厚いのを使いました。
がんがん切れ端が出来るんですが、横から見るとウエハースに見えてきて、迷った挙句にかじってみたり。

ベニア食えたら食費が浮くぞって真剣に考えていた。
料理しなくてすむし。
また、
来る日も来る日も階段を作り続けていたら

ず〜っと作り続けたら、月まで行ける気になっていた。
かなり本気で。
ちょっとした幻覚をみていた感じがする。
あと、小川がグッドリッジに勝った時の格闘技通信を毎日5回くらい読んでた。
狂っとったな。
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