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2009年春の某日。
前年にデカイ仕事を終えて一段落。
なんとなく、今年は仕事がこないという予感があり、自宅建設を決意。
フリーの仕事は波があるので、余裕のある内に住処させ確保すれば、
ヤバくなっても野菜とか作って生きて行けるだろう、、と。
そんな事で、

穴を掘り、鉄筋を組んで家の基礎を作り、棟上までできた辺りで、
久しぶりの知り合いから電話が入った。
「サッカーボールを時速300キロで蹴るマシーンって作れます?」
この人はいったい何を言ってるのだろうと思いつつ。
「やればできるんじゃない?」と、素直にお返事。
そんな話を忘れて、屋根が出来上がりかけてきた頃。
作ってくれという連絡が。
聞けば、2010年のワールドカップの為のものらしい。
そしてクライアントは、オイルのカストロール社。
正直、下手すれば死人すらでそうなこの企画、まさかスタートするとは。
出来ると言ったのは自分だしな。
そんなこんなで、考え始めるも、ワールドカップつったらあと一年弱。
ゆっくり考えてる暇も無さそうなので、デザイン含めた検討を始める。
オイル会社なので、エンジン駆動はマストの条件らしい。
ならばだ。

こんな感じで、エンジンでフライホイール回して、、、
クラッチでガツっと蹴り足を動かして、、、
バイーンとボールを蹴ったら、蹴り足をダンパーで止める、、と。
ダンパーで止められなかったら、オレ死ぬな、、、
そう思いつつも模型でデザインも進めてみる。

デザイン的にはかなり好み。
産業革命バンザイ的な。
かなりの手応えを感じつつ、機構には不安を感じつつ。
カストロールに提示してみた。
”エンジンは車のがイイナー”
”もっとロボットっぽいのがイイナー”
”もっと最新式っぽいのがイイナー”
全然コンセプト逆やんけ。
最初にちゃんと言えや、、、とは、心にも思わずに、改めて構想を練る。
どっちにしろ、彼らの意見を全部聞いて、時速300キロなんざ、
予算も時間も絶対的に足りない。
ここはやはり、自分が作りたい方向で考えるべきだ。
例えば

いっそ自走だ。
サッカーなんだから、ゴールまでは自分で走るべきだ。
ロボットはいいけど、人は乗せたい。
というか、オレ乗ってみたい。

移動のヴィークルモードから、キックモードに変形。

そして蹴る。
ついでに、蹴るのはエンジンだけど、本体走行はバッテリー駆動。
エコロジーなどという生易しいものではなく、局地戦でのシュートを見据えた、
噂のハイブリッドシステム。
ここまでぶち上げれば、文句も出んだろう、、、と。
結果。
カストロールジャパンの、イギリス人社長大絶賛。
だったらしい。
もう予算とか言ってる場合じゃないな。
儲けはさておき、日本の根性みせたるぜ。
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